器材塩抜きの極意

 ダイビング後の器材のお手入れで大切なのは、砂や汚れを落とすことはもちろん
 ですが、塩抜きがキチンとできているかどうかによって、器材そのものの寿命や性能の
 安定に差が出てきます。
レギュレーターはパーツの接触面に塩の結晶が発生しやすく、
 そこから
サビが進行すると、メッキやコーティングにダメージが起こり、製品寿命が短く
 なります。
チタン素材のアトミックT−3レギュは、腐食しない素材ですからコーティングの必用もなく、
 塩抜きで浸ける必用もありませんが、一般のレギュレーターは塩抜きの実行と定期的な
 オーバーホールを受けて、快適なダイビングを楽しみましょう。


 塩抜きは、洗面器やバスタブにきれいな真水かぬるま湯を張り、浸けておきます。
 あまりお湯の温度が高いと、別の意味でダメージが起きる可能性もあるので、よくありません。
 通常のレギュレーターやBCのインフレーター、デジカメのハウジングなら半日くらい、
 操作系が複雑なハウジング、撮影機器は丸一日くらいでしょうか。
 レギュはダストキャップが完全に閉まっているか、ハウジング系は
 0リングのメンテナンスをおこない、カメラは抜いて浸けましょう。

 浸けて塩が溶けたら、そのまま乾かすのではなく、可動部分は動かします。ハウジングのボタン、
 シャッター、ストロボのスイッチ、レギュの1stのスイベル部分、水中ライトのスイッチ等は、水を
 張った容器に浸けたままの状態で動かして下さい。

 しかしこれでもまだ完全ではありません。この後は
流水で溶けた塩を流してやることが大切です。
 注意点は、ハウジング系は全体に等しく圧力がかかることによって機密性が生まれますから、
 蛇口の水を直接あてると一ヶ所に圧力がかかりすぎて、水没の可能性もでてきます。

 
デリケートなカメラ類は、手のひらで一度水流を受け、手からこぼれる水をかけてあげます。
 レギュやBCのインフレーター部分、カメラ類以外は直接流水で洗います。
 
 塩抜きの極意は、『浸けおきで塩を溶かし、流水で溶けた塩を流す。』
 器材もペットや鉢植えと同じように、愛情を注ぐと、きっと答えてくれますよ。


   


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 監修 アクアラングサービス
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