水中マクロ撮影 ジャストピントの裏ワザ


 デジカメは、小さな被写体を大きく写すマクロ写真が気軽に撮影できて便利ですが、
 なかなかピントがジャストな写真が難しいと思っているダイバーも多いのでは?
 今回は、マクロ写真でピントを好みの場所に合わせる裏ワザです。
 (プロは普通に実行しています。)

 被写体にカメラを向けて、構図が決まったら、普通のダイバーはそのままシャッターを
 押してしまうと思います。しかし、後から大きなモニターで画像を確認すると、
 「目にピントがあっていない?このデジカメ、性能悪い?」と思う写真も多いですよね。

 より良い写真を撮るためには、
フォーカスロックを使用します。ピントを合わせたい
 場所にカメラを固定したら、シャッターを半押しして、ピントを固定してしまうわけです。
 しかし、この機能をうまく使ったとしても、前述のようにピントが曖昧になる経験が
 あったなら、以下の方法を試してみてください。

 1、被写体を構図におさめ、カメラはしっかり固定する。
  この状態を維持できない場合は、ブレがおきて裏ワザが無意味になるので
  注意してください。ブレとピンボケは後から補正できません。

 2、小さなウミウシを例にすると、ウミウシの目にピントをあわせたいのなら、
   ウミウシの体にフォーカスロックをかけてピントを固定できたら、ウミウシの目の位置から、
   背中の出っ張り部分の少しの距離、数ミリ〜分、カメラを近づけてシャッターを切る。
   (面積の小さな目にフォーカスロックするより、このほうが調整しやすい。)

 3、ウミウシの体全体にピントを合わせる場合は、フォーカスロックをかけた後に、カメラを数ミリ
   下げて(遠ざけて)シャッターを押す。

 カエルアンコウ ウミウシ
 A                                B
 
 上の2枚の写真を見てみましょう。Aのカエルアンコウはある程度のサイズ、大きさがあり、
 構図的にも顔が前側にあるため、普通にフォーカスロックをかければ目にピントがあった、
 よい写真になります。しかし、Bの写真の構図の場合では、目にフォーカスロックをかけると
 中央の部分に対して後ピンになり、鰓(サイと読む)の部分、(シダの葉のような部分)がボケて、
 見苦しい写真になる可能性があります。

 それを防ぐには、フォーカスロックをかけたあとに、鰓の部分にもある程度ピントが合うように、
 フォーカスロックされたカメラの位置から、目から中央部分の鰓までの距離、5ミリほどカメラを
 引いて(被写体から離して)シャッターを切ります。
 
 「ん?それだと目からピントが外れて変な写真になるのでは?」という疑問が浮かぶと
 思いますが、”ピントから離れた場所は被写界深度にもよりますが、広くピントが合う”
 というレンズの特性を考えれば、このほうが失敗しない写真になる可能性が高くなります。
 ワイドレンズはほとんど画面全体にピントがあっているのはこの理屈によります。
 
 
簡単に表現すると、フォーカスロックをかけたあとに、自分の好みでカメラ位置を前後に
 微調整する、ということです。


 絞りと被写界深度、レンズの焦点距離でも画面の出来は変化します。マルチフォーカスか
 単焦点フォーカスかでも変わりますから、カメラの癖も把握しつつ、試行錯誤して
 自分の好みを見つけてみましょう。


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 監修 アクアラングサービス
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