BC吸排気の裏技
 
 今回はシンプルにBCの取り扱いについての裏技といいますか、使い方のノウハウです。
 中性浮力の要は、スムーズなエアー操作になりますが、それについて大事なのは、インフレーターに
 空気が入る量と、姿勢、状況に応じたエアー排気速度にあると思います。
 
 皆さん、以外と気がついていませんが、
BCは機種、メーカーによって、エアーが入る速度が違います。
 
ベテランダイバーは、短時間に多量のエアーが吸気されたほうが、都合のよいことが多いのですが、
 そういうBCをビギナーダイバーが使用すると、吸気が早すぎるため微調整がやりにくく、
 結果、中性浮力がむずかしくなってしまいます。

 スタビで有名なS社は吸気が早く、スタビの発展型、シーライザーはもう少し遅めです。
 
 早すぎる吸気を遅めにして、BCの浮力調整の感触を変化させる方法は、

 各メーカーから出ているエアーホーンやミニハンマーヘッド(商品名)をインフレーターに

 
セットすると、空気の入るスピードがわずかに遅くなります。ミニハンマーヘッドは特に流量が減り、
 ブワッと空気が入る感覚が抑えられ、ソフトになります。
 自分の好みにBCを進化させることはもちろん、これらの製品は、水中や水面で信号音を発生させる
 器材
ですから、中性浮力を失敗して自分だけ浮上し、合図を送れずにバディーとはぐれた経験がある人は、
 ぜひお試しください。いつでも音が出せて、ダイビングの安全性も向上するはずです。

     水中ブザー

 排気の裏技の一つは、多数の場所から同時に空気を抜くと、かなり早く空気を抜くことができます。
 潮流の早いボートダイビングのポイントでは、スムーズな潜降が絶対条件となるため、
 あらかじめBCのインフレーターから自分の口でエアーを吸い出す人もいますが、
 通常はBCにエアーが入ったエントリーが多くなると思いますので、より早く空気を抜くには、
 左手のインフレーターホース又は左肩、右のハイプレッシャーリリーフバルブ等、
 複数の排気部分から同時にエアーを抜きます。

 もっと簡単なのは、普通に一カ所から排気、潜行するときに、
両肘でBCのエアーを絞り出します。
 
ジャケットタイプのBCだったら、
 両肘を脇腹に押しつけながら潜行すると、排気が早く終わります。
 (バックフロートタイプのBCはできません)
 極めるなら、上の方法二つを組み合わせて排気できたら、最速でしょう。

 ビギナーダイバーがエアーを抜けずに吹き上がるのは、大きく分けて二つ原因があると思います。
 一つは水深が浅くなっているのに膨張する空気を抜いていない、つまりエアーを抜くタイミングが
 遅すぎるのですが、
簡単に、自分がエアーを吸ったときに意志に反して浮かぶようなら排気をする。
 これをしっかり覚えれば、吹き上がりも気がつきやすいと思います。
 もう一つは、エアーを抜いているのに抜ける箇所が持ち上がっていないと、エアーは一番高い箇所に
 集まりますから、その部分が排気できる箇所と一致しないと吹き上がりの原因になります。

 そんなのわかっているけどできない、という人は、エアーを抜くときは、BCのインフレーターを持って、
 水面を見つめて背伸びをする、又は、
マスククリアーがちゃんとできる体勢と、BCから排気できる
 姿勢はほぼ同じ
(ヘッドファースト潜降以外)この2つをしっかり覚えてやってみてください。



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 監修 アクアラングサービス
 
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