呼吸について
 
 ダイバーの呼吸について、書いてみます。けっこう普通すぎて逆にわかりにくい部分だと
 思います。学科では息を止めてはいけない、リラックスした呼吸とありますが、物事
 そう簡単ではありません。ただ、
呼吸の仕方でエアー消費にかなり差が出てくることは
 なんとなく皆さん感じているのではないでしょうか。私は体重が74キロですが、
 一般のダイバー(女性含む)の残圧が50くらいの時、だいたい100くらいです。
 (残りゃあいいってもんじゃないですが。)
 
 ベテランダイバーほど吐く泡の感覚が長いのですが、初心者がなかなかまねできないのは、
 バランスや浮力の問題を、力で何とかしようとするからです。余分な力が入ると、体は多くの
 酸素を消費するので、必然的に呼吸パターンは早くなります。
 では力を入れなくてもすむ潜りかたはどうすればいいのでしょう?ポイントは<
 「浮力調整の微調整は肺でおこなう」ということです。
 だけど、なかなかオープンウォーターの講習でここまで出来るようになるのは
 大変です。

 中性浮力の基本、息を吸った状態で体が沈むのならBCにエアーを入れ、
 浮くならエアーを抜く、という単純作業をした後に、今度は肺のエアーの状態を意識して、
 みてください。
 肺の浮力だけ考えてみましょう。息を吐くときと吸うときの中間、ふくらんでもしぼんでもいない
 状態が中性浮力で0とすると、吸って肺が一番膨らんだときは、+1キロ、吐いて肺が
 しぼみきったときはマイナス1キロぐらいの浮力変化は感じると思います。
 個人差もありますが、
思ったより体の浮力が変化していることに気がつくでしょう。
 少しの水深の変化なら、たったこれだけの肺の膨らみ加減の調整で、体の浮力を
 コントロールできます。
 
 この技が身に付くと、肺に空気が入っている時間も長くなり、肺の酸素吸収の時間も
 増えて呼吸効率もよくなり、呼吸のサイクルも長くなり、それによって中性浮力も
 とりやすくなります。
 
 また、リラックスしたダイビングには、よい器材を使うことも前提になります。
 無駄なエアー消費を減らし、より楽なダイビングを目指すのなら、バランスの
 よいBCと、反応のよいフィンを使うことが不可欠です。一時流行った先割れフィンは、
 確かによく進みますが、体のバランスについてはフィン自体があまり水をつかまないので、
 ダイビングパターンによってはより疲れるかもしれません。体力の少ない人にはいいのですが、
 人によっては不向きなこともあります。

 ダイビングがうまくなりたいなら、水中写真をはじめるのもおすすめです。上手に水中写真を
 撮るためには様々なスキルが必要になってくるので、写真をはじめる事によってダイビングの
 上達も早くなります。

     

 
 
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 監修 東京アクアラングサービス
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