海水の味

 今回は、ノウハウとは違って、コラムのような展開です。
 皆さんは、海の味がしょっぱいのは、当然知っていますよね?でも
海の場所ごとに
 海水の味が違うのは、ご存知無い人が多いと思います。

 
 私はアクアラングサービスに赴任する前、日本中の海を潜水作業のために
 訪れました。ほぼ北海道以外の日本周辺は、だいたい潜った事になると思います。
 そして潜るときに海水を飲み込むわけではないのですが、微妙に口元に感じる
 海水の味が、地域によって差があることに気がつきました。
 そしてこうも思いました。宿で出る、地元で取れた魚介類の味に感じる傾向と、
 潜ったときに感じた海水の味の傾向が、似通っている。

 実はあまり知られていませんが、海水の塩分濃度と、ミネラルは地域によって
 微妙な差があります。タコやアンコウが美味しいと有名な茨城県は、とても塩分の
 味が良く、そのかわり水温は低いのですが、とても美味い海水と思います。
 
 九州の水質も、イカや貝類が美味しくなるのに適した海水の味と思います。
 なんとなく泥っぽい味がする海域は、泥っぽい味によって持ち味が引き立つ生物が
 やはり美味しく、東京湾や瀬戸内海はそのような傾向に思いました。
 沖縄と熱帯の海外、サンゴ礁の海は味の傾向が似ていますが、微妙に違いがあります。

 鮭が川に戻るような話しになってしまいましたが、
海の生物に限らず、生きる環境に
 よって、生物が影響を受けるのは当然ですよね。

 
 ダイバーの皆さんは、感じた海水の味の傾向と自分の好みに合わせた食事の内容を
 考察すれば、今までに味わったことのないような、とんでもない美味に
 出会えるかもしれません。
 今度ダイビング中にそんなことも考えながら潜ると、新鮮かも。


 ジャンクフード漬けの今の子供達が、海で時たま見かける背骨の変形した魚と
 ダブるのは、私だけでしょうか。がんばれ、大人。


 
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 監修 アクアラングサービス
 http://www.aqua-lung.sakura.ne.jp/