かなりコアなギターページ 好きな事ならドカンとやろうぜ!

とことん追求しないと気がすまないタチなので困っています。  更新日2023年4月
 
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  このHPを見るのは野郎ばっかり?


いろいろなギターに接してきました。楽器はもちろん個体差があり、美人もいれば放っておけない
不美人もいます。自分にとってはゲロマブ(死語?)でも、他人から見たらお地蔵のほうが
いいという場合もあるでしょう。しかし結論的には、いい楽器は誰が弾いても、いいと言います。
そうういう楽器が数本あれば、無駄な出費も(楽器屋さん、ゴメンナサイ)しないですみます。
皆さんのお役に立つかはわかりませんが、お読みいただければ幸いです。

こっそり本音。本当は腕と感性。器材選びも音楽も。 ちなみにこのページに記載した以外にも、
様々な検証をおこない、かなりの情報をもっていますが、 きっとこのページを見た皆さんが、
ご自分で模索されたほうが楽しいと思うので、あえてそれらの情報は書きません。

しかし!最近のジャパンビンテージとかが高値の相場は、見ていて呆れてしまいます。
黄金期と言われる1980年前後の、TOKAI やGRECOなど多数を手に取った経験では、
当たり前だけど、所詮はコピーモデル。木材は確かにいいかもしれないけれど、
それだけけで いい楽器ができるほど話は単純ではありません。このページに出てくるストラト、
TOKAI LS-320と1980年の LS-80 (プロの方が手放したかなり優れた個体とかST-80含め)を
比較した結論としては?当時、5〜8万円のギターが、オリジナルよりいいわけないでしょ?




                  ロゴをクリック!

 すとらと  ストラト以外  こうさつ  あんぷ  えふぇくたあ  



  

04年12月、手元にあった、有り合わせのパーツで組んだストラト(右の写真)のボディーを2018年
10月フェスタレッドのMJTボディーに交換しました。

ネックは Fender Custom Classic Stratocaster のもの。
ペグはフェンダーのシュパーゼルタイプに交換。1〜6弦の配列を逆にして
テンションピンを加えることで、クルーソンペグに近い弦のテンションにしました。

ピックアップ、小泉空弦氏が作成したハンドメイドのもの。(アイレットのハンダは1950年代ガーディナーに交換)
キャパシター、あえてこの楽器のキャラを考慮し、ビンティージセラコン 0.05 耐圧50v ビンテージと同じもの。
配線、1950年代のLENZや類する22AWGのクロスワイアー
ハンダ、1950年代NASSAUその他 ブリッジ、ユウビ時代のダンカン1980年初期のもの?
(インチだからフェンダービンストのものかも、忘れました。)
ブリッジを固定するビスはカラハムに。カラハムのマウントビスは音量が上がり、元気な音になります。
まあ、市販のアンプだと埋もれてしまってわからないと思いますが。

ピックアップの性質が、かなりキツイ(ポールピースのマグネットの磁力が強すぎる)ため、
ハイが痛い感じの音で悩んでいたのですが、それはストラトのいいところ。ピックガードを3プライの
鼈甲にしてピックアップをレイボーンのように極端に下げたところ、弦の高音域とギターボディーの
鳴りのブレンドがかみ合ったせいか、絶妙な感じになりました。

ストラトはピックガードの音質を受ける構造のため、60年代以降のストラトに、敢えて1プライのピックガード
(CHARさんのバーガンディーみたく)にするとか、パーツの組み合わせで調整できる部分が大きいです。
ちなみにアノダイズドのピックガードは、見た目とちがってハイエンドが少し丸くなります。

下の激軽BLONDEレリックも、どうしてもバランスがとれずに悩んでいましたが、ピックガードをアノダイズドに交換
したところ、しっくりきました。

〜このストラトはRELICだから傷も気にならないし、気軽にやっつけられる1本〜



NEW

  

NEW  って書いても全然NEWじゃないストラト、5年ほど前に購入。1995年製のYAMANO楽器別注、
レトロスペクティブ・ギア・シリーズ。マスターグレードの前のモデルですね。
マスターグレードの細部がビンテージと同じになったのが1997年らしく、それ以前のモデルは
再現性がよくないそうですが、こいつは1966年モデルなので、そんなことはまったく関係ありません。
指板のローズは真っ黒でネックは薄いトラメ、ボディーのアルダーもかなりよくて、マスターグレードシリーズと
完成度が変わらない個体です。
何よりネックのグリップが好みで弾きやすくて音がいい!購入してからライブの出番はこいつが一番かも。

ピックアップを変えてもスティービーレイボーンの響きがします。つまり、そういうギターなんだと思います。

2018年、JUN TONEに特注オーダーしたグレイボビンピックアップがついていて、
ハリが有りながらセンシティブな典型的66年サウンドですが、トーンを絞ればバラードでも使えます。

弾き倒した結果、傷とフレットの減りが・・・・。しかし、扱いやすさは抜群!信頼できる1本。

追記
ピックアップはLINDYが1990年代、日本に入ってきた最初期にトムアンダーソン用に作成した
グレーボビンのピックアップに交換しました。しかし、セット内容のセンターリバースが気に入らなかったので、
リア用のコイルを800ターンほどほぐしてフロントの直流抵抗値に合わせ加工して、リード線も交換して
センターに移設し、故ヴァンザント氏が手巻きしたVANZANDT ROCKをリアに入れました。最高!!!

全てのメーカーに進言したい。リプレイスメントピックアップはビンテージフェンダーと同じく、
マグネットトップの磁極とコイルの巻き方向を同じにしてほしい。位相が同じほうが単体でも
組み込み範囲が広がり、ビジネス的にもプラスだと思うのだが。


  

2008年頃に入手したフェンダーマスターグレード54。太目で柾目のネックが素晴らしい。
フレット交換のエッジ処理が雑で、自分で研磨、フレットの摺り合わせをしました。
最近は素人みたいな自称?リペアーマンが多くて困ります。
いつものように、サドルビス(Oval Pointに自分で加工)とトレモロブロックはカラハムに、
配線は厳選した1940〜50年代のLENZと、詳細不明(おそらくHolyoke)の撚り線を適所にミックス。

鳴りはさすがマスターグレード、5年ほど前に渋谷の楽器店で同じモデルのマスターグレードを
試奏し、クレジットの申込予約までした後、店員の手違いで別のプレイヤーに渡り、
買いそびれた経緯で同じクラスのストラトを様々な形で試奏、入手しましたが、
今回やっと巡り会えました。運命のようなものを感じます。

このギターには、マスターグレード50’Sピックアップが純正でついていましたが、
何故かフロントとセンターのみ3弦のポールピースが低い、TALL−Dタイプになっていて、
特注オーダーのギターかもしれません。FENDERもやるじゃん!

しかし、パワーが強すぎて54ストラトとはまったく別のキャラ。見た目と音との違和感が
拭えず、ピックアップはGRINNING DOGのTALL−D 54ピックアップに交換しました。

しかし何かピンとこない・・・・・?もしかしてこれか?見当をつけて、
50年代のモトローラ製ペーパーワックスコンデンサ(かなり使い古されたもの)から
NOSのSPRAGUE ペーパーワックスに交換し、ボリュームポットからアウトへいく配線の
ハンダを浮気で使った70年代のKESTERから1960年代KESTERに変えたたところ、
キタッ!って感じでご機嫌な出音になりました。
最初に付け替えたコンデンサは少しリークしていたのかもしれません。

この子は内部構造が昔のつくり、そのままなので、けっこう電磁波ノイズが乗ります・・・。
まあ、音がいいから気にしないけど。

追記
2021年、配線を1940年代かそれ以前のメーカー不明、22AWGのものに、
ハンダはNASSAUに変えました。古い配線材を使うと枯れた傾向になることが
多いのですが、今回はちょっと表現が難しいのですけど、枯れた感じを残しつつ、
60年代ストラトの元気も感じるという不思議な変化になりました。

ちなみに、古い線材は最高のものもありますが、なんちゃってのものも存在します。
やっぱり試行錯誤が必要ですね。

2023年、ペグをKEYSTONEブラスポストに変更しました。様々な意見が聞かれるパーツ
ですけど自分的にはドツボです。大好き。



アートエスパーザ作のボディーに、ワーモス製ハカランダ指板のネックを
合わせたオールブラックストラト。名前は黒男(ブラックジャックの本名と同じ)

スチールブロックとブリッジマウントビス、サドルビスもカラハムに交換。
カラハムのスチールブロックは、音が良いのもそうですが、切れた弦のボールエンドを
簡単に出せるので、弦交換がとても楽というメリットもあります。

ピックアップはGRINNING DOGの60’Sセットでセンターはリバース。
キャパシターはビンテージのセラコン、ジャックからポットの配線はとても古い
1940年代のLENZ、22AWGの絹、布巻きラッカー皮膜の撚り線にしました。

音のほうは、アルダーのボディーにしては粘り気が少なく、共振が
タイトでデッドポイントがありません。指板の非常に硬いハカランダと
良質なメイプル、共振周波数が低めのボディー鳴りがうまくマッチしました。

ウソっていうくらいの鳴りがすごい!目をつぶって弾けば「これってオールド?」
シールド一本でアンプにさせば本当にいい音。だけど歪み系ペダルとの相性も最高。




フェンダーマスターグレード57、大当たりの一本。
数本マスターグレードを弾いてみましたが、
これほどのレゾナンスは感じられませんでした。
この楽器以上のストラトは本当のオールドだけだと思います。

改造する気がまったくおきない高い完成度を誇りますが、MASTER GRADE 50’S
ピックアップの計算された個性にキャラがありすぎるため、工房 GRINNING DOGにて
57年タイプを作成していただきました。私見ですがマスターグレード50’Sピックアップは
アルダーボディーよりアッシュのストラトによく合います。

気がつくと、私の楽器はGRINNING DOG工房のピックアップ搭載が
自然と多くなりました。木のレゾナンスを電気信号にする”変換機”としては
秀逸だと思います。しかし楽器本体と良いアンプが無ければ、良い音のギターに
することはできません。レンジが広いピックアップなのでハンダも吟味しないと
キツい音になることもあります。楽器の相性も当然あります。
しかし、全てがうまく調和すると、とんでもなく良いサウンドのギターにできる
ピックアップだと思います。

キャパシターはSPRAGUE 0.1uF/200VDCに交換。トレモロビスはカラハムに。
サドルビスはビンテージと同じく、ブリッジプレートとの接触面を球状(Oval Point)になるように
ヤスリ等で加工しました。ハイエンドがよりクッキリした感じになって、音の分離がよくなります。
カラハムのサドルビスも、同じように Oval Pointに加工してMASTER GRADE 54に装着しましたが、
サウンドはスチール製のFENDER純正を加工したものと、同じ傾向になりました。

配線は古いLENZとHOLYOKE。ポット間のハンダはレッド缶KESTER、
ピックアップのリード線は50年代のKESTER44、アウトジャックのハンダは
40年代のDUTCH BOYで配線しました。

ボディーはブリーチ処理をしてからの明るいサンバースト、
もちろん極薄ラッカーの2ピースアルダー。このアルダーは素晴らしい。
トラメのネックも最近安定してきました。
マスタービルダー岩撫氏恐るべし。お見事。


追記。2011年夏、激軽アッシュレリックのピックアップをRAW VINTAGE 5661に交換してから、
センターリバースのピックアップ構成が自分の理想と異なる事に気がつき、ピックアップを
個人的に製作しているコイズミさんからYahooオークションで購入したものに交換しました。

この方は論理的な解釈を重要視してフェンダーの音を1970年代から
解析し、今までは少数の理解あるミュージシャン用に少数作成していたそうですが、
●最近の手間=販売価格 音はそこそこ● という市場に反発してオークションに自身の作品を
出すようになった経緯をもちます。

半信半疑で購入してみたところ・・・・・・・・。

脱帽のサウンドです。今までのピックアップに対する投資は何だったのでしょう。
早速、もうひとつ作成してもらいました。

追記
2020年、ピックアップを JUN TONE が試作した完全手巻き(送りと巻きが手動ということ)に
交換しました。最初は 「いいのだけど、ずば抜けていいわけではない」 という印象でしたが、
アイレットからのリード線を選別したビンテージ線に交換したところ、抜群の抜けに変化しました。

基本的に、撚り線をハンダで固めて単線のようになっている今どきのクロスワイヤーは、
まったく好みの音質になりません。ピックアップの信号を殺しています。




近年までメインだった1980年代のダンカン、優美時代のもの。アッシュ?54年モデル。
元々はかなり太めの三角グリップでしたが、少しシェイプをなおしました。
ピックアップは最初SSLー1が付いていましたが、フェンダーカスタム54,
ディマジオのブルーベルベット、リンディーウッドストック69、ヴァンザントの
トゥルービンティージ、リンディーホットビンティージと試行錯誤し、結果
Fender Master Grade 50’Sに。

様々なことをこの楽器から教わりました。シリアルは01575ですが、
非常に音がよいのでこのシリアルに近い同年代のダンカンを探して所有していましたが、
そちらは塗装がかなり厚く、まったくいい音はしませんでした。このことから
考えられるのは、あくまで推測ですが、木材は安定してよい材料を使っていたのに、
塗装や組み込みを複数の人間が行った結果、時々非常に結果がいいものと、
あまりよくないものができてしまったのではないでしょうか。
これは、国産の古いギター全般について、似た傾向なのかもしれません。

プロミュージシャンのリペアーを行っている志村さんに、リフレットをお願いした際に、
ブリッジを固定するビスをオールドフェンダーのものに交換されました。
それじゃないとダメなんですと。あっポットも交換されました。たくさんのポットの
抵抗値を計り、最適なものを付けていただいたようです。




トラメ(トラフェチではないのですが。)ESPオーダーのハワイアンコアーボディーに、
やはりトラメの(いや、やはりトラフェチか?)のネックを組んだストラト。
オリジナルで付いていたネックが、メイプル材が柔らかく、使いものにならなかったので
試行錯誤の上、やっと04年11月、今のネックに落ち着きました。

ワーモスオーダーのテムジン製ネックは極太グリップで強度も十分。
しかし逆に強度が有りすぎ音が堅かったため、購入後リシェイプしました。
このストラトは少しサウンドカラーバリエーションがでにくい感じがありますが、
コア特有の粘るサスティーンときらびやかなサウンドが魅力的。

ピックアップはフィンガーボードがフラットなので、リンディー TALL-Dの
ハイブリッドポールピースタイプをのせました。若干パワーがあり、近代的な
サウンドでよいピックアップですが、枯れた感じではありません。
キャパシターはサンガモの0,1。

コアボディーはきらびやかなサスティーンと、アルダーとはまた違った持ち味で
風味の違うストラトを作るには、よい材料だと思います。
もう、楽器全体が鳴りまくる! ある意味非常に実用的な一本。

2012年夏、知り合いのギタリストに嫁入りしました。



カスタムショップの Fender Custom Classic Stratocaster。

世間ではあまり人気のあるギターではないですが、素性がよいのでおすすめです。
特に私のネックは頑丈で、季節の変わり目でも反りません。

人気がない理由は、リアピックアップにベースプレートが付いていて、ピックアップ3つの
バランスがいまいちなところ?アメリカンスタンダードと仕様が変わらないから?
(ボディーのザグリは弁当箱ではありません)

購入して3日でリンディーのTALL-Gに交換し、キャパシターはこの楽器の
レゾナンスとマッチするビタミンQに換え、ペグはロック式のシュパーゼルに
交換したので、仕様はまるっきりクラシックプレイヤーストラトと変わらない?
2点式のトレモロは結構よくて、極薄塗装と相まってものすごく
ハイファイなサウンド。ジェフベックに変身できる1本。

06年2月更新
極太、リバースラージヘッド、パーフェロー指板のワーモスネックに交換。
ペグはシュパーゼル。何ていうか妥協の無いサウンド。上も下もハイレゾナンス。
(オリジナルのネックは上のフェスタレッドに使用)

2010年、ピックアップはGRINNING DOG 69に交換。ポールピースの段差は
左利き用なのとネックヘッドもリバースなのでジミヘンですね。しかし現代風に
もっとレンジが広くてローノイズです。抜群の切れ味。


  

1997年製 わりと初期のフェンダーカスタムショップの1960 RELIC シリアル2000番台
サザンオールスターズ、桑田佳祐さん所有レリックストラトのシリアルに近いですね。

完璧なレゾナンスバランスと弾き安さで、最近一番弾く時間が長いのがこれ。
ピックアップは試行錯誤の結果、センターノーマルのGRINNING DOG 60’S
トレモロブロック、ブリッジマウントビスとサドルビスはカラハムに交換しました。
キャパシターはあぽろんから購入のビンテージレプリカペーパーワックス0,1μF。

コンデンサはいろいろ試しましたが、評価の高い160Pはかなりいい音で、少し
枯れた感じが欲しいとか、または木の状態でビタQやオールドペーパーワックス、
Cornell Dublierもいいですね。

感じた点は、近年のレリックと比べて外観がよりリアルなのと、
フェンダーにしてはフレットが太いところ。全体の木の枯れ具合。
指板のローズにいたっては”こんなに枯れていていいのかなあ?”
なのでレモンオイルでケアしました。

トレモロのスプリングは3本しか楽器についていなかったため。10数本の
スプリングから最適な2本を追加しました。
市販のスプリングは個体差が大きいので3本パックを3個くらい購入し、
その中の最適な数本を選んで使用するのは、このページのストラトに
共通して手がけています。

このギターは鳴りが非常にいいため、他のパーツの素性がもろにでます。
楽器店で色々弾いてみましたが、オールド以外でこのレリック以上のギターに
出会ったことは、まだありません。
こなれたレゾナンス、激鳴り!皆に譲ってくれと言われます。

追記
08年2月、内部配線のハンダを変えました。ポット間はレッド缶KESTER、
ポットからアウトジャックに伸びる線は、1940年代のDUTCH BOYで黒缶より古いもの。
このDUTCH BOYは別途ロジンが必要ですがアウトプットのハンダに最適で、
全てのストラトはこのハンダにしました。

追記2
2017年、ハンダを古い(たぶん1950年代)筆記体リールのNASSAUに交換。
音の伸びと倍音の抜けがちがいます。様々なハンダを検証しましたが、現時点でこれを超える
ハンダはありません。最近はピックアップをビルダーにオーダーする場合、
このハンダを郵送して、アイレット(ハトメ)部分に使用指定しています。

追記3
2019年1月 サドルビスを MONTREUX ( モントルー ) / Saddle height screw set inch Stainless Oval Point
に交換。和音の分離がよくなります。

  

このページのレリックは3本ともポットから出ているアース線がアウトプットジャックに
入る前に、一度導電塗料のラグ端子にはいるという、不思議な配線をしています。
ラグから外して、ジャックに直接持っていくだけで、けっこう抜けがよくなります。
はんだごて一つで5分もかからないのでおすすめします。



  

アメリカ本国で買い付けされた超初期のFENDER CUSTOM SHOP RELIC BLONDE 通称 MARY KAYE
ネックデイトは1995年製でシリアルは400番台。アメリカ国外輸出用のグレードとは一味違うマスタービルダークラス。
トラメとバーズアイが混在したネックの質感にクラクラします。
今はCunetto Relicとかいう扱いで値があがっているみたいですね。ぜったいに売らないけど。

アッシュはローが足りなく感じることもありますが、このレリックはバランスが
完璧!トレモロブロックとサドルビス、マウントスクリューはカラハムに換え、
キャパシターはSPRAGUE 0.1uF/200VDC、オールドのフェンダー同型に交換しました。
スペックを煮詰めたところ、もろに1956年製のアッシュストラトの音になりました。
果てしなく爽やか。今のところ私のフェイバリットがこれ。

        こちらのコンデンサは現在入手不可

ピックアップはリンディーのREAL54やTALL-D、様々試しましたが、微妙に相性がずれるので、
思案した結果、手持ちのマスターグレード 50’Sをのせたところ、しっくりきました。

内部配線はHOLYOKEの撚り線を要所に、ポットからジャックへの線は1940年代のLENZ、
絹巻の上に編み線という大変凝った線材に変更。このLENZは恐ろしくハイの抜ける線で、
耳に痛くない倍音が豊富で伸びがよく、尚かつミッドの腰もちゃんとあるという
大変珍しい音をしています。癖が無いのにコクと色気が両立しています。

配線材の種類は、楽器の個性に合わせて細部を決めていきます。Aのギターに最適な
組合せでもBのギターにそのまま当てはまる事は少ないですから、最終的に自分の耳で判断します。
配線材はベルデン、HOLYOKE、LENZ、WE、製造会社が同一でも、タイプが違えば、音は全然違います。
ネットで評判の高額な線材が、まったくギターの個性に合わないこともありました。
しかし、線材は種類が違っても、会社ごとに音の傾向はきちんとあるのが不思議なところ。
ページ下段に配線の考察を載せました。

このレリックはネック強度がかなりあるため、調整が不要だったのですが、季節の
変わり目に若干順そりになったため、はじめてネックを外しました。
ネックの裏に、品質管理用の紙製シールが貼ってあったので、それを
はずし、塗料の残りも綺麗にはいでジョイントし直したところ、これで鳴る鳴る!
サスティーンとアタックが違います。

楽器は木がよくて組み立てと調整がよければ、かなりの線までいくと思いますが、
その上で、当たりとかハズレとかが決まる要因は、ネックとボディー、木の組み合わせの
共振周波数の問題ではないでしょうか。以前のインタビューでスティーブバイが
ストラトはネックとボディーが完全●●度で共振しないとレゾナンスがよくないと
言っていましたが、研究している人はいないでしょうか?

よいギターはサスティーンとその倍音がピアノのような美しさがあります。
それがなければ、どんな種類のピックアップやパーツを付けてもいい音になりません。

〜入手から5年、かなり木のレゾナンスが変わってきました。枯れて
若気の至りの”力み”のようなものが消えてきました。やはり楽器は弾いてあげないと。
ピックガードの裏に張ってあるアルミのシールは剥がして、
カラハムのPickgaud shieldsに変えました。ストラトはピックガードの響きに
影響されるので、シールのように接着の導体は剥がしたほうが良いようです。
06年の春にリフレット。

2013年、追記
ピックアップをマスターグレード50’SからGRINNING DOGの50’Sに交換。
ハリとツヤがちがいますよね。半田は1950年代、筆記体リールのNASSAUを使用。
センターリバースだからノイズに強くルックスもいいのでライブ向き?

2019年1月、追記
サドルビスを MONTREUX ( モントルー ) / Saddle height screw set inch Stainless Oval Point
に交換。和音の分離がよくなります。





もう1本のMary Kaye (Cunetto Relic)、スペックはほとんど上と同じです。こちらもアメリカ本国仕様。
ネックデイトは1995年。シリアルは900番台。ボディーのアッシュの質は、
上のレリックとはまったくちがい、このページの中で最軽量のストラトです。
(約3,1kg これってハードテイル以外のストラトでは超軽量?)

最初はしょぼくてなんだこりゃ?ってかんじで、かなり悩みましたが、トレモロ
スプリング調整とサドルビス交換で生まれ変わりました。

音の立ち上がりが抜群に速くて、普通のストラトがコキンだとするとこれは
コッキーーーーーーンッ、ブルブル、ボディーの振動がすごいです。2010年11月、入手から
7年経って、かなり日本の気候風土に馴染んできて、音にツヤが出てきました。

上のマリーケイとはまったく音の傾向が違い、上のは果てしなくすっきりしたクリーンと、
アッシュのごり押しが同居していますが、こっちのレリックはアッシュの割には、
アルダーのような少し濁ったニュアンスもあるのに、和音の分離が抜群にでます。
激軽ボディーの産物でしょうか?

最初は上のマリーケイと同じくホワイト1プライのピックガードでしたが、デビッドギルモア先生の
動画に感銘を受けてGOLD アノダイズドに交換しました。ストラトはピックガードの
種類で音が変わると言われていますが、アルミに変えてもそれほど金属的な音になりませんでした。
ピックアップの磁界が変わるせいか、細くまろやかな傾向になる気がします。音のピークが変わる感じ。

パーツは本体との相性なので、ミドルが強いギターに3プライのピックガードは特徴が強調され、
ドンシャリ傾向のギターにアノダイズドは合わない場合もありますから、本体とピックガード、
ピックアップや配線の”ブレンド”が大切なんだと思います。
カスタムショップのビルダーはそういうことが経験でわかっているのでしょう。
しかし、私はひたすら実験するしかありません。そういう手間が大切なのだと思います。。

2010年11月、今まで搭載していたLINDY REAL54からRAW ビンテージ
ピックアップの5661に変更しました。LINDYも相性がよかったのですが、どうも
作られすぎた音のように感じ、ボディーの木が日本の気候になじんで
中域が出てきたため、マッチングがずれてきたこともあって、GRINNING DOGと
音の傾向が似ていると思われるRAW PICKUP 5661に。

2012年9月、ピックアップは手持ちの Fender Master Grade 50’Sに交換。
妙に好きなこのピックアップは3セット持っていて、しかし、無意識にアッシュボディーの
ストラトにつけているかも。

2021年5月、追記
サドルビスを MONTREUX ( モントルー ) / Saddle height screw set inch Stainless Oval Point
に交換。和音の分離がよくなります。



スペック一覧 
電子パーツ交換時の半田は 1940〜1960 KESTER 数種、gardiner、DUTCH BOY、
NASSAU、MIL スペックのALPHA、NEW YORK SOLDER など。
線はメーカー不明のビンテージクロスワイヤー、HOLYOKE3種、ベルデン、
ALPHA、WE数種、LENZなどを使用しています。


マスターグレード57 2トーンサンバースト 変更点
ピックアップ 個人ビルダーM氏の JUN TONE ハンドワイヤード、
キャパシター SPRAGUE 0.1uF/200VDC トレモロブロック&ブリッジビス カラハム
サドルビスはスチールのOval Point
ポット間配線はHOLYOKE アウトジャック配線 1940年代 LENZ


ダンカン 変更点
キャパシター GLAY TIGER 0.047 ピックアップ fender Fender Master Grade 50’S
トレモロビス&フレット、ボリュームポット 志村カスタマイズ

ブラックストラト スペック
ボディー フェンダー製アートエスパーザ作アルダー
ネック ワーモス製ハカランダ指板メイプルネック、Cシェイプ
キャパシター オールドセラコン 0,05μF
ブリッジビス&トレモロブロック、サドルビス カラハム
ピックアップ GRINNING DOG 60’S センターリバース


フェンダーカスタムショップ カスタムクラシックストラト 変更点
ネック、ワーモス製極太Cシェイプ、パーフェロー指板、リバースラージヘッドネック
キャパシター ビタミンQ 0,047μF 
ピックアップ GRINNING DOG 69 ポールピースレフティー センターリバース


フェンダーレリック 60年代モデル 変更点
キャパシター あぽろんから購入のビンテージレプリカペーパーワックス0,1μF
ブリッジビス&サドルビス&トレモロブロック カラハム
ピックアップ センターノーマルのGRINNING DOG 60’S
内部配線 詳細不明の古いクロスワイヤー、 その他ビンテージの撚り線
ポットからジャックへの配線 1950年代 LENZ
使用ハンダは1950年代のマルチコア、筆記体スプールのNASSAU、


フェンダーレリック 56ブロンド1(シリアル400番台) 変更点
キャパシター、SPRAGUE 0.1uF/200VDC
ピックアップ GRINNING DOG 50’S センターリバース
ブリッジビス&サドルビス&トレモロブロック カラハム
内部配線 ポット間 HOLYOKE ブルーなど混合 
ジャックへの配線 1940年代 LENZ

フェンダーレリック 56ブロンド2(シリアル900番台) 変更点
キャパシターは某楽器店作成のビンテージレプリカ 0.1uF/150VDC
ピックアップ、 fender マスターグレード 50’S
ブリッジビス&サドルビス&トレモロブロック、カラハム
ポット間配線 ビンティージHOLYOKE その他ビンテージの撚り線
ジャックへの配線 1940年代 LENZ
ピックガード FENDERカスタムショップ製ゴールドアノダイズド

コアボディーストラト 変更点
ネック テムジンオーダー ワーモス製極太ネック、バーズアイメイプル&
タイガーストライプ(リシェイプ)
キャパシター、サンガモ 0,1μF 
ピックアップ リンディーフレイリン TALL-D ポールピース、ハイブリッドタイプ



私見ですが、ピックアップのサウンドレビューをしてみます

フェンダーカスタム54 これぞフェンダーといった、かなりきらめきっぽいサウンド。ハーフトーンはなかなかで、
明るい音のかわいい感じのピックアップ。メイプルネックに合いますが、ローズにはどうかな?
フェンダーテキサススペシャル もろにレイボーンの音です。レイボーン以外にはなれません。しかし本当のレイボーンの音とは
似て非なる音だと思います。彼の音はもっと倍音が抜けてます。ですからテキサススペシャルで
本当のあの音にはなりません。うまく個性をアレンジするピックアップと思います。
ダンカンSSLー1 80年代初期のもので、今のものと違うかもしれません。スタンダードなサウンドで、クリーン、クランチ、
歪みにいっても変な癖を感じません。フェンダー系のキラキラした感じとは違いますが、
素直で好感が持てます。時代や流行とも関係なく、ビンテージの美味しいところを汲みだした感じ。

追記。2012年、25年ぶりにこのピックアップを使ってみました。低域が太めですが全帯域のバランスと
音の分離はかなりイイ線いってます。本国アメリカ製造はマグネットの質が今と異なる気がします。
リンディー54 音は厚く、パワーは普通ですが、音圧感があります。ハーフトーンが美しく、ブリッジポジションでも
音が薄くなりません。アッシュ系のボディーに合いそうです。
倍音の本当に高いところがコントロールされていて、美しさを感じる音です。
リンディーウッドストック69 某書物にも書かれていますが、本当にジミヘンそのもの。以外とクリーンもいい感じで、
世間で言うほどの音の片寄りは感じませんでした。
癖と言うより個性という表現が合いますね。あんまり参考にならないかしら?
リンディーTALL-D 1955年の音を再現したそうですが、微妙に違うというか、リンディーのオリジナリティーを感じます。
フロントとリアの単音は美しく、相当好きな音なのですが、残念なことにセンターが若干、
ハーフトーンすぎる音に感じます。昔はハーフトーンという概念がなかったので、
センター単独でコロコロ可愛い系のサウンドを狙ったのでしょうか?アンプとの相性も
関係があると思いますが、キャパシターを当時の容量のものに変えると、また違った印象になります。
すっきりした音なので、軽くスカスカのアッシュボディーには合わない気がします。アルダーボディーとの
相性は、かなり設計者の意図に近い感じではないでしょうか。
リンディーTALL-G レンジが広く、ざくっとした倍音も豊かにのびて、アルダー、ローズ指板にはそうとう相性がいいと思います。
各ポジションのバランスとハーフトーンのバランスも、理想に近いのではないでしょうか。
ディマジオブルーベルベット 各ポジションともかなりチリチリした感じです。ダイアーストレイツのマークノップラーに
とても近い感じがします。ハネたカッティングで決めると、気持ちのいい音がします。
バンザント トゥルービンテージ 音の立ち上がりはかなり早く、クラプトンのブラッキーな感じがします。ハーフトーンも素晴らしく、
カラッとしていながら色気のある音です。
しかし残念なことに、ファズとの相性が今一つで、暴れた音にはなってくれません。
そういう部分を求めてはいけないピックアップだと思います。
バンザント Fullertone  見事に54年の音がします。リンディーやマスグレは’個性’を感じますが、このピックアップは
1954年の音源の音と、あまり変わらない印象を受けました。私のバンザントは’木’が若く、
ピックアップと融合していないため、本当の54年とはもちろん違うのですが、ピックアップ単体を
1954年のビンテージストラトにのせ変えても違和感が無いのでは?非常に高い完成度を感じます。
Fender mastar grade 50’S これぞフェンダー。王道の音。某書物にもありましたが、レースセンサー前のバディーガイに
かなり近い感じがしました。マグネットにきっちり磁力が入っているため、
枯れた音ではありませんが、全てがちょうどよく、マスターグレードにこのピックアップなら、
交換する必要性は感じないのではないでしょうか?しかし、このシリーズのピックアップの評価が高いのは、
マスターグレードシリーズギターの木の質の良さも関係していると思います。
RAW ビンテージ RV-5661 当時の完全再現という(ほとんどのメーカーがこういいます)ピックアップ。素直でクセがなく、音の広がりが
美しく、ロックな部分もあって、万人受けするピックアップだと思います。しかし、裏を返せばギター本体の
音を忠実にアウトプットするということですから、良質なギターにマウントしないと意味がないかもしれません。
また、職人がハンドメイドでつくるピックアップと比較すると、今一つの感は拭えません。
GRINNING DOG 全般 ハンドメイドピックアップの工房で、秀逸な作品を生み出しています。私はこの工房のピックアップを、
ハムバッキングを含め、5セット以上使用していますが音の伸び、艶、ビンテージ感など最高です。
しかし、電気信号の変換に忠実なピックアップでごまかしがきかないので、真価を発揮するには
ギター本体や奏法はもちろん、アンプやシールドなどシビアなセッティングが必要だと思います。

今までに試したPICKUP

LINDY REAL54を3セット TALL−D TALL−G TALL−Dのハイブリット VINTAGE−HOT WOODSTOCK69ポールピース右用と左用
FENDER CUSTOM54 MASTER GRADE50’Sを3セット RELIC57ストラトの純正PICKUPを2セット RELIC60ストラトの純正PICKUP
        TEXAS SPECIAL、レトロスペクティブ66ストラトの純正PICKUP、その他たくさん。
VANZANDT TRUE VINTAGE ROCK JIMI’S FULLERTONE
DIMARZIO BLUE VELVET
GRINNING DOG TALL−D STRAT60’S 50’S FILLMORE EAST PAF50’ TELE60’S
DUNCAN SSL−1の80年代初期を2セット SJB−1 SPB−1、SH−1、SH−55セスラバーモデル
VOODOO JB60 PAFタイプリワインド
RAW VINTAGE 5661
その他、バルトリーニやビルローレンスやギブソンなどたくさん。なんだろう?この投資は。


個人的感想ですが、初期のリンディーと今のリンディーは少し違った音に思えるのと、初期に比べ、最近は製品の
ばらつきを感じます。これだけの数をリンディー1人で作成出来るとは思えないので、仕方が無い事なのでしょうか。
少々残念に思います。

今まで多くのピックアップを試してきました。そして最終的に行き着いたピックアップは、ほとんどが
工房または個人ビルダーのハンドメイドばかりです。私は一時期”手巻き”のコイルに執着していた
こともありましたが、コンピューター制御のTANAC社製ワイディングマシーンで巻いたものは、
かなり高品質で個体差も生じないため、優れた製品が多いと思います。しかし、大手メーカーのものはマグネットの
質やポッティングのせいか、大量生産の音しかしません。売値が安いのでしかたがないのですが・・・。

ストラトなどのシングルコイルピックアップは、実はマグネットの素材が大切だと、最近になって気がつきました。
ジョン・サーのインタビューでも情報が見られます。
http://www.ikebe-gakki.com/web-ikebe/Suhr_pickups/index.html

だけど、ギターにとって本当に大事なのは木材の質ですよね。昨今の木質、ろくなものがありません。
ギター制作者と木材販売業者はもっと頑張って欲しいです。




ギター内部配線についての考察 08年2月

過去10数年にわたり、あ〜でもない、こ〜でもないとギター本体、アンプの内部、シールド
エフェクター等の内部配線を試行錯誤しましたが、ギターについては一応の結論がでました。
しかし、万人の好みにはあてはまらないと思うので、参考程度にしてください。

1、セレクタースイッチからポットまでのリード線は、ストラトなら40〜50年代の
  縒り線がおすすめ。音に癖が少なく、あまり太くない線を選び、
  皮膜の素材が硬いものがいい。(曲がりにくい意味とは別。)
  メッキの縒り線に直接クロスの皮膜がしてある線材より、クロスの下に固めの樹脂か、
  天然の絹などで、導体を固めてからクロスで覆ったワイアーは、音の厚さと抜けが両立
  するワイアーが多いと思う。導体をゴムで固めた線はゴムの音がする。
  皮膜の硬さと質感は音の印象と同じである事が多い。
  
  ピックアップからのリード線部分で音の色付けをしようとしても、うまく行かない
  ことが多く、特にフロント、センター、リアのバランスに影響が出る。
  ギブソンタイプは内部の芯線をベルデンなどの癖の少ない
  ものに変えても結果が良い場合がある。単線は上品な音にする場合に使用する。

2、配線で大事なのは、良いハンダを選別して正しく美しくハンダ付けする事。
  古い配線のハンダのみ変える場合は、SOLDER WICKなどで
  古いハンダを完全に吸い取ってから付け直す。
  トーン用のコンデンサー耐圧が高いものは、音のキレが減ると思う。
  ビンテージの音を目指すなら、耐圧200V以下がベスト。
  また、ポット、セレクター間に不必要に太い線を用いると、取り回しも悪くなり、
  微電流に対し、線材そのものの静電容量、皮膜の影響が出て良い結果になりにくい。

3、ギターのポットからアウトプットジャックにいく配線で、はじめて好みの色付けを
  すると結果が悪くなることはほとんどないと思う。一番音色に影響が出る部分なので、
  ひたすら自分の好みに合った線材とハンダを探す。


  ハンダの音質変化について

  配線材やハンダで出音が変わるなら、いっそのこと劣化を追及するという
  コンセプトの記事です。


    

    

  所有ハンダの一部

  最近はピックアップのリード線付け根、アイレット部分のハンダを吸い取ってから、
  癖の少ないビンテージハンダに変更しています。音の出口の最初の部分なので、
  ここで今の時代のハンダが使用してあると、少し人工的な色が出る感じがします。
  様々なパターンを検証しましたが、ハンダの使用方法はピックアップに近い部分は
  ワイドレンジで癖の少ないハンダを使用し、ポットやコンデンサの配線は素直な
  出音で自分好みの色があるハンダ、アウトプットジャックのハンダで、最終的な
  調整をするという形で、かなり自分の理想的な音にできるようになりました。
  
  アウトプットジャック部分のハンダでイメージがかなり変化するので、もっとキレがほしいとか、
  高音の倍音が欲しいとかいう場合は、ホット側とアース側のハンダの種類を変えて、
  好みの味にしています。ホットとアース両側を、同じハンダで仕上げ、こもり過ぎたら、
  片側をレンジの広いハンダ、音が細くなりすぎたら、中域のレンジの押しが強い、
  50年代のダッチボーイを使用するなど、ギターの鳴りとピックアップの個性で、
  最適な組み合わせが変化します。
  ギターの調整、配線が決まれば、どのアンプに挿しても至福の音。
  インスピレーションもこれで倍増?



これらのことについてと、ビンテージ&ハンドメイドアンプの共通点

ギター内部配線は、単一の素材を使用した場合より、いくつかの特色を考慮し、
各部に最適な線とハンダを使用したときに、より良い効果が現れると思いますが、
これはいい音のするアンプに当てはめても理解しやすいのでは。

ポイントトゥーポイントのアンプは、基板がなく、抵抗やコンデンサー、各パーツの
”足”をラグにからめてハンダ付けされています。ということは、パーツの製造会社が
違えば、足の素材も違うので(純度もそんなに高くないと思う。)ギター内部配線の
各部に違う線を使用するのと同じように、電気経路に複雑な味が生まれているのでは
ないでしょうか。それが基板を使ったアンプは、必ず回路の途中に基板の金属という
共通の味が加味されるわけであって、それがよく無い傾向になると考えれば、
様々な事につじつまが合うように思います。


ボディーのピース数とネックジョイントについて 

〜クラプトンのBLACKIEだって、3ピースだぜ〜

ボディーのピース数、気になる方も多いのではないでしょうか。オークションでも質問に多く
上がってくる項目だと思います。しかし私見ではボディーのピース数と音のグレードはそんなに
関係ないと思っています。断言しますが”ちょっといい木材の1ピースとかなりいい木材の3ピース”、
どちらがいいか?もちろんネックや全体のマッチングが重要ですが、私的にはかなりいい木材の3ピース
のほうが断然いいと思っています。1ピースがいいならレスポールは最小で3ピースですもの。
トップ、メイプル2ピース、バック、マホガニー1ピース、計3ピース。

今までに多数の楽器と接しましたが、1ピースのみをうたった楽器は、あまりいいものがありませんでした。
要は木材にのみコストをかけて、その副作用で全体が甘い楽器が多かったのです。
現在の木材問屋の諸条件を考えれば、コスト的には素晴らしい木材の3ピースのほうが、可能性が
有るように思います。つまり1ピースを求めるならかなりの高額はあたりまえ。

4ピースくらいになるとルックス的にはいやですが、1〜3ピースなら、木材の質と、その他の部分の
組み合わせ、組み込みのほうが大事だと思います。

ネックジョイントについても、ぴったりとあっていた方が気持ちがいいですが、私のメイン楽器は
結構曖昧な楽器もあります。ジョイントの制度がよければ、もちろん楽器がマイナスになる要因は
減るかと思いますが、オールドフェンダーやジョイントが曖昧な楽器でも、素晴らしいサウンドの
ギターはいくらでもあります。シムについては、私は可能な限り使わないことにしていますが、
(マスターグレード57だけは、シム入れてメチャクチャよくなったけど)結局デタッチャブルは
ネジで止まっているだけなので、ジョイントの制度よりはネックの良し悪しとボディーとの
レゾナンスの相性が重要な部分と感じます。

ジョイントの甘いネックはハードに弾けば、センターずれになる可能性もありますが、そういう弾き方もせずに、
楽器に弾かれちゃってる人のほうが、この部分を気にしすぎるように思うのは、私だけでしょうか。


デタッチャブルギターの音が決まる要因について

2012年に体験した事を記載します。友人に貸していたフェンダージャパンのストラト、
確か定価70000円くらいのものが、10数年ぶりに私の手元に戻ってきました。
たぶんボディーは3ピースのアルダー、ネックは60年タイプで1990年前半の製造ですから、
木はなじんでなかなかです。リペアーして音だししてみたところ、デッドポイントが多くて
「しょせんジャパンだよな。」って感じで売却を検討していたのですが、手元にあった30年近く
前に製造された優美時代のダンカンについていたネックを、ビス穴の位置を修正して
取りつけしてみました。

 え? ハズレのUSAカスタムショップよりいいじゃん!!!

デッドポイントが綺麗に消えて、抜群の鳴りに。たぶんレゾナンスのマッチングも
相性がよかったのでしょう。ストラトやテレのデタッチャブルネックのギターは、ネックで
音の7割が決まると言われていますが、本当ですね。

ちなみにネックジョイントは少し隙間があり、底面の密着性はよいのですが、横面は
紙一枚ほどのずれがあります。しかし、まったく問題なくいい音です。

結論。品質の低い(フェンダージャパンにも素晴らしいものがあると思っていますが)
ネックは、ギターの全てをだめにします。たまに工房の高級品でも超ダメなネックが
あるので、タッピングしてレゾナンスを聞いてから購入するといいかも。


  ジャパンビンテージ?単なる中古じゃん。

この記事は個人的な感想です。参考程度に片肘はらずに読んでください。
ここ数年、ジャパンビンテージの名目で70〜1980年代のFENDER JAPANやTOKAI が
高値で取引されています。中には当時の定価以上で落札されているギターも。

しかし、本当に値段と比例する価値の音がするギターなのか?
皆んな騙されていないか?


ジャパンビンテージという言葉のない時代、18年ほど前に、私自身が古い国産ギターに
はまりました。病気のように1970年代以降のギターを買いました。TOKAIのSTー80,
LS-80,FERNANDESのFST-60,FST-80,FST-100,RST-50,RST-70,
TEMJINのオーダーストラト、1960年代のSUZUKIバイオリン製やCHAKIのピックギター
JVシリアルのFENDER JAPAN、ビルローレンスのロイ・ブキャナン モデル,
6本限定生産のVANZANDTやESPの特注ストラトなどなど〜。

元々が凝り性なので、ピックアップをダンカンやLINDY、VANZANDTなど、当時流行り始めた
リプレイスメントパーツに交換し、ポットや配線を交換し、ブリッジを含め音が良くなる可能性を求めて
ひたすら最高のジャパンギターを追求しました。

そして、その結果は?1960年代のSUZUKIバイオリン製のピックギター以外は全部
手放しました(けっこう高価で売れました)。手塩にかけたギターを売却した理由は?

国産の音しかしないから。
パーツを変えてもダメでした。本家、本物の音がしない・・・。

本物じゃないから本物の音がしない。当たり前ですよね。つまり自分は多くの人々が
国産ギターに求める方向と、異なる目標を見ていたのですね。それに気がつくまでに膨大な
時間と経費をかけました。単なるバカです。しかし、多くの勉強ができたことも事実です。

個人的な結論を書くと、ジャパンビンテージのギターってそんなにいい音じゃない。
中にはアタリの個体もあるかと思いますが、プロミュージシャンが手放したかなり音がよかった
1980年ころのTOKAIのLS-80と、このページにある2000年製のTOKAIのLS-320を
検証した結果、その差は歴然でした。その他のアタリと思われる個体も数本あって、
けっこう愛用していた時期もありましたが、満足には至らず手放しました。

求める人数に対して製品の絶対数が少なく、価格が高騰する経済原理を否定するつもりは
ありません。しかし、ネットオークションで中古の国産ギターが当時の定価以上の開始価格って、
変じゃないですか?コピーモデルにビンテージって名目をくっつけるあたり、ファッション業界と
同じようなあざとさを感じます。まあ、コロナで楽器業界が大変なのはわかりますけど、
市場操作しすぎじゃないかと。



嗜好性 ミュージシャンの名前は、アルファベッドで書いては駄目です。
        その時代はカタカナでしょ?


楽器のHPをよく見ますが、不思議と音楽的なことに触れていることが少ないように思います。
(えっ?このページ?)
今回は雑感など書いてみました。私のギターとの最初の接点は、高校生の時に、同級生が
弾いていて感化された、という極めてありふれたことがきっかけでした。その時代に家にあった
レコードは、井上陽水、ビートルズ、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクル、ミッシェルポルナレフ、
ビージーズ、(なぜか)落語全集など、完全に姉と親の嗜好性に縛られたものでした。
しかし、今に思えば超一流のバックミュージシャンが参加していたサイモン&ガーファンクル、
(ベースはアンソニージャクソンそれしかでてこない・・・。でも一流のサポートメンバーが多かった)
最初のカルチャーショックは、中学校の時に聞いたクイーンやキッスでしょうか。始めて買った
洋楽のレコードはキッスのデトロイトロックシティーだった気がします。
クラプトンやローリングストーンズは、何かメロディーがきちんと無くて好みになれず、もっぱら
プログレ全盛期のこともあって、ピンクフロイドやイエス、富田勲などのシンセ方向もずいぶん
はまりました。そして高校時代、なんと言っても一番のショックはツェッペリンのドラム、ジョンボーナムが
死んだこと。本当の理由なのかわかりませんが、何でもパーティーでウオッカをグラス40杯飲んで
死んだとか。なんじゃそりゃあああああっ!

私が最初に買ったギターはモーリスの3万円のフォークギター、ぜんぜんいい音がしなくて
当時最高級機種だったキャッツアイ(東海楽器の別ブランド)のマーチンタイプ、CF1200を
持っていた同級生が、ものすごく羨ましかったことを覚えています。いい音してたなぁ。

文字が多いと疲れるので、簡単に音楽的嗜好性の推移を書くと (太字はライブでも見た

キッス→クイーン→ジェフベック→イエス、ピンクフロイド→ツェッペリン→ローリングストーンズ
→リーリトナー→チックコリア→キースジャレット→スパイロジャイラ→バッハ→グレングールド
→バーンスタイン→ジミヘン→ドアーズ→マイルスデイビススティーブガッド
クラプトン→ウエザーリポート→アルバートキング→バディーガイレニークラビッツ
→スティーリーダン→ベンハーパー→コッコ→アルバートキング→オーティスラッシュ→またジミヘン

一時期、テレビ局でガイタレミュージシャン担当だったこともあって、ずいぶんスタジオで
生音を聞きました。レイチャールズ、ロンカーター、マリーン、ETC・・・。もちろん日本の
ミュージシャンは基本的にクチパクではないので、PAのそばで聞く機会も多かった。
アンルイスバンド、プリプリ、憂歌団、近藤房之助、コメコメクラブ、セイキマツ、シオン、
クワタバンド、久保田利伸、X、美空ひばり、ドリカム、BOΦWY、ストリートスライダーズ、
ラフィンノーズ、竜童組、東京スカパラダイスオーケストラ、爆風スランプ、TMネットワーク、ETC

TV局のスタジオの現場で直に接したバンドやミュージシャンは、他にもゲイリームーア、
RATT、ZZトップ、メンアットワーク、シングアウトシスターズ、マンハッタントランスファー、
デュランデュラン、スザンヌベガ、フォリナー、フォワイトスネイク、シンプリーレッド、
ペットショップボーイズ、ジョージアサテライツ、ピーターセテラ、A-HA、デッドオアアライブ、
ハワードジョーンズ、チャーリーセクストン、ETC・・・80年代全盛ですね。

当時のアイドル歌手、日本人のジャリタレは、音程がずれまくってスタジオにいて
気が狂いそうでした。音声さん、かわいそう。

当時、楽器はアクティブ回路が出てきた時代でスタインバーガーやスペクターを
プロミュージシャンが取り入れたのもこの時期でした。FM音源のシンセ、ヤマハの
DX−7は画期的な鍵盤で、ほとんどのバンドで使用されていました。
しかし、アクティブ回路が入った弦楽器は、現場でいい音と思ったことはあまり無くて、
普通のジャズベやストラトがいい音してた記憶があります。当時の印象に残るサウンドは、
アンルイスバンドのギタリスト、デカパンさんがマーシャルにレスポールで
最高のサウンドを出していた記憶が鮮明です。斉藤誠さんのテレキャスは、
レスポールのようなブットイ音で不思議でした。バンドは久保田利伸さんと
クワタバンドのうまさはダントツでしたね。

まあ楽器については、今の時代にビンテージの出番が多いことを考えれば、
当時は一過性の時代だったとも言えるでしょう。しかし、この時代があったからこそ、
現代のフォデラや新しい発想の楽器メーカーが生まれたのだと思います。

自分が譲れないもの・・・。

手がでかいこともあって、弦はぶっとくないと駄目。1弦が0、12からで3弦がプレーンの
セットが理想だけど、なかなか売っていない。ピックもガンガン固いやつ。
見た目のダサい楽器は、音が良くてもNG。
楽器屋の試奏用アンプは、ショボすぎて弾く気にならない。なんとかしろ。
おまけにわかっている店員も極わずか。勉強しろ。
先入観ばかりでものを語ることは、しないように心かける昨今なのです。




2001年ころのトーカイLS−320 一時期ZZTOPのビリーギボンズがライブなどで
愛用していたモデルと同じ?かな。たしか製造時期も近いと思います。

メイプルトップに、ホンデュラスマホガニーバック、及びネック。
ピックアップはGRINNING DOG工房にてハンドワイアリングで
作ってもらった59PAF、ドンズバ。

非常に美しいレゾナンスとサスティーンが魅力的な1本。
何故かフェンダーマスグレと共通するレゾナンスを感じるギターです。
オールドトーカイもいいですが、今のトーカイのハンドメイドクラスもかなりいいと
思います。80年代LSー200クラスと比べてみるのもおもしろいかも。

恐ろしいまでの倍音、これこそ”木”本来の音。コードでジャランも、
単音でピキーンも、思わず下半身がいっちゃいそう。でも、1弦ゲージ011で
レギュラーチューニングじゃないと私の音は出ないので、一般的でないとは
思います。

ハカランダフィンガーボードも”ぬくもり”があって好きです。ヒストリック03と
スペックは変わらないし、グレードは高いと思います。





Fender Custom Shop '63 Telecaster Closet Classic

好きになれなかった78年のテレキャスを売却して、この子を購入。
ブロンドのアッシュボディーで枯れた味わい。楽器店で数本のテレを弾き、
これに決めました。Vanzandtの1P ASH 53TLV(30Limited)やESPのオーダー、
他のフェンダーとも比較しましたが、この固体のレゾナンスが最高でした。
楽器は当たりハズレが激しいので、やはり弾いてみないと。
配線は古いLENZ、ピックアップはGRINNING DOGの60年タイプに交換。
砂糖をまぶしたコンデンスミルクのようなギター。




1960年代の鈴木バイオリン製ピックギター。
ピックガードも木でできていて、非常に味のあるギターです。
スライドも合いますが、サドルが直線だったので普通の弾き方だとピッチが
微妙に気になっていました。
新木場でよい木材を見つけて時間があるときに自分でサドルだけ
作成しようと思っていましたが、やはり専門の方にお願いした方が確実かと思い
GRINNING DOGにてハカランダで作ってもらいました。ピッチ完璧!




Fender Custom Shop フレットレス Jazz Bass。
ローズフラット張りでフレットレスのカスタムショップ製のジャズベは、
当時のレギュラーラインではカタログにはないモデルですが、
指板がエポキシでコーティングされ、ジャコモデルをレリックにしなかったような感じです。

これもよいレゾナンスで、トーンコンデンサー以外は、どこも改造しないで使っています。
ついウエザーリポートの気分になります。




フェルナンデスの1980年代オールドジャズベRJBー75
当時のフェルナンデス最高機種のベースだと言うことですが、ラッカーフィニッシュも
見事で、フェンダーと並べて置いておくと、フェンダーよりフェンダーらしいです。
以前持っていたフェンダー72年製のジャズベと変わらない風格の1本。

音もしまった感じが心地よいです。購入時ピックアップが断線していたので、
ダンカンのSJB−1に交換してあります。
サドルがブラスなので、スチール(鉄)かチタンに交換しようと思っています。
ちなみに上のフェンダーのサドルは”鉄”です。ブラスはすぐ削れてしまうので
好きではないのですが、何故かスチールのサドルは市販されていないようです。
需要がないのでしょうか?

 周辺機器

アンプ

いろいろあったけど、他の人の部屋に行っているのもあるし。
普通に真空管アンプを使っています。
公園で缶ビールとジャズベの時はトムショルツのロックマン、ヘッドホンアンプが重宝してたり。

アンプは基本設計がよければ、自分はピッキングで音、作っちゃうタイプなので
ある意味なんでもいいかも。空間の大きさで出力を選んで、ある程度思い通りに
なってくれればそれでいい。
手元で音造りが性に合います。反応が早いのが好き。量産品や電気基盤を使ったアンプは
音が曇るので持っていません。手作りのアンプ以外は興味ありません。

ROCKET 90 ご機嫌サウンド

ドン モリスという、アメリカのアンプビルダーが一人で作り上げた
完全ハンドメイドのアンプ。この人は一時期マクソンのアドバイザーや
TS−9の作成にも関わりがあって、YAMAHAにも在籍していたという
話です。ロケット90はローリングストーンズがBridges To Babylonを
レコーディングしたとき、キースリチャーズが使用したことと、
一時期サンタナも使用していたことで有名なアンプですが、妥協を
許さず、たった一人のエンジニアが作成するため、量産ができず、
オーダーしてから2年待ちという需要と供給のバランスが
とれないためと、製造にコストがかかりすぎるため、短期間で
製造中止になった、幻のアンプです。日本に何台あるのでしょう。
ハイパワーな突き抜けるサウンドがすばらしい。
Vintage Fender deluxe amp クローン 個人ビルダーが作成した5E3の完全コピー
チューブは1950年代のRCAデッドストック、単板パイン材、
ツィードラッカー仕上げと完璧です。細かな仕様は本物以上。

   ↑ 最終的に行き着いたのはコレ

このスピーカーはスペアの
1956年製のMagnavox P-232
スピーカーは当初、JBLのプロ用ユニット、#2130がのせてありましたが、
(左上の写真は購入当初のもの。)
音がハイファイ過ぎるのと、コーン紙が軽いタイプの出音が好みなこともあって、
1960年代製のビンテージJENSENユニットに交換しました。
強力なマグネットと軽いコーンでハイの特性が良く、低域まで音の立ち上がりが
抜群です。配線はSPケーブルが古い太目の撚り線、内部配線は
ウエスタンエレクトリックのAWG22と20、他にベルデンが使用され、
真空管はヒアリングの結果、裏側正面右からテレフンケンの12AY7,
TUNG-SOL7025、RCA6V6GT、RCA5V4Gいずれも1950年代のNOS。
(写真の6V6はスペア用)

このアンプは極上の音で、弦にピックが触れる前から音がでます。
(もちろん嘘。しかしそのくらい反応が早い。)
トーン用のコンデサは古いシルバーマイカとバンブルビー
今のメーカー制レプリカ5E3とは比較にならないと思います。
現行のJENSENスピーカーでこの音は絶対無理。

別の部屋ではこんな感じです。このツイードアンプは5E3と違う回路で
ビルダーのハンドメイド、リバーブも効きます。
スピーカーは最初、現行のJENSE P−12Qにしたのですが
人工的な音が気持ち悪くて1950年代製のJENSEN P−12Rに。
真空管はすべて1950〜60年代のNOS。枯れた出音が気持ちいい。

スピーカーケーブルはウエスタンの単線を編んで自作。
こちらはギブソンのGA-5。
再生産のリイシューではなく本物1950年代の製造です。
電気パーツは交換されていますが、出力トランスとスピーカーは
オリジナルのまま。枯れた素直な出音がすばらしい。

トーンレンジは狭いのですが、ローとハイのバランスがいいです。
このオーガニックな味は、コピーモノでは出ないでしょう。


 エフェクター


基本的にはアンプ直です。(笑) しかしジミヘンに変身しなければいけないことも
あるので、所有するペダルもそれなりの数があります。
下の写真は常用の歪&ワウペダル。その他にもアナログデレイやフェイザーなども。

ネットオークションでも個人製作のペダルがありますが、踏む道具だという認識が
甘い形が多いと思うのは、私だけでしょうか。特にランドグラフタイプの、スイッチで
モードを切り替えるペダルはスイッチの場所と長さの配慮が少ないものが多いと
思います。「それってペダルスイッチと一緒に切り替えスイッチも踏んじゃうじゃん?」 
ZENタイプもコントロールノブがスイッチに近いものがありますよね。
足のサイズがでかいので余計に気になります。

所有ペダル

Landgraff DOD  Landgraff MO-D  ビンテージRAT  初期 COT-50
Landgraff DODクローン3台  SOUND LOFT TS-808FINAL EVOLUTION2台
ANALOGMAN SUNFACE NKT275  その他たくさん

COT50はかなり初期のタイプ。出音に人工的な癖があったので、
内部配線を50年代のクロスワイアー、ハンダも50年代のKESTERに変えた
ところ、変にキラキラした部分が消えて、嘘のように良い音になりました。
オリジナルのてんこ盛りハンダは音を殺しています。

ANALOGMANのNKT275 SUNFACEは秀逸なファズで、NKT275を使ったファズとしては、
かなり上品な感じ。狂暴な出音とは異なるスタジオライクな音。


  

かなり初期のRMC−3のワウペダルはビンテージのJENやVOXのPICTURE、
コピーモデルより気に入っていて、2台所有しています。ひとつはVOX風のサウンド
セッティング、もうひとつはJEN風のセッティング。これは名機だと思います。

ワウはその他に60年代のJENのクライベイビー2台などいろいろ。



  

Landgraff DODクローン2個と 本物のDODとMO−D

改造RATはICソケットを付けて、オペアンプをLMー308H、缶タイプに
変えてあります。このオペアンプ交換で、別物になりました。ラット特有の中低域が強調された
印象がなくなり、レンジは上下にスッキリ伸びて、歪み方がワイルドになり、ブースター
的な使い方から、ファズの音までどちらでもいけます。

 オペアンプの極性に注意。

このRATは1986年の初期型ですが、楽器店の企画で最初からLED付きとかなりレアなモデルです。
#石橋RATと呼ばれているみたいです。

2022年6月 追記
シングルオペアンプ、古いLMー308数種類をソケットに差し替えてヒアリングして選別し、
ソケットを外してから直接基盤にはんだ付けしました。つまり、これこそ自分用に最高のRAT!




以下はLANDGRAFF DODの考察

  音がよいと評判のランドグラフについて、
 オペアンプの相性と私なりの考察を書いてみます。個人的なものですから参考程度に。

このペダルの音については、ギターマガジンのオーバードライブ比較特集、またネットサイトにも
語られている内容と基本的には私も同じ意見です。中域に美味しいポイントを凝縮したバランスで、
歪み方はエッジが立っているのにいやらしいところがありません。非常に高帯域まで
綺麗に増幅するペダルで、高解像度的な印象です。高性能のシールド、ストレートな
ポイントトゥーポイントの、ハンドメイドアンプは、その傾向をストレートに味わえます。

そういった傾向のペダルは、基音と上に乗る歪みが分解して聞こえ、不自然な歪み方をするモノも
よくありますが、ランドグラフはモードを変えても、ゲインやレベル、トーンを変えても、
非常に魅力的なサウンドが出ます。簡単に表現すれば、どれもかっこいい音。単純なこと
ですが、今までのペダルはこれらの要素を満たすモノがほとんど無かったように思います。
かっこいい音がセッティングに凝らずに容易に出せる部分が、多くのプロが愛用している
理由ではないでしょうか。サイズが小さく、いつもバックに入れておくこともできますし。

構造的な部分
私は電気回路に詳しくはありませんが、長年ケーブルとハンダ、高性能の無酸素銅素材、
ビンティージワイアーの比較をしていました。ランドグラフは、一般的にギターの内部配線
では、最適といわれている素材とは違ったものを意図的に多く使っています。
ビンティージワイアーを使った配線や、楽器の味的なことは楽器側が作りだし、
エフェクターは別の味と、割り切った発想が勝利していると、私は感じています。

写真を見ておわかりのように、狭い基板にパーツが密集していて、見た目は
あまり美しくないですが、私はこれを、メリットを出すため、わざとそうしているのだと
感じています。以下理由。

電気ロスを避けるため、できるだけパーツを近づけてあります。抵抗は縦に配置し、、オペアンプや
その他のパーツもできるだけ信号ロスがないように、ソケットや位置を工夫してあります。
信号経路の短縮は、直接音に影響します。音のボヤケを減らすために、ランドグラフは
不自然に作りにくい構造を、音のために敢えてそうしているのではないかと思っています。
オーディオ的な発想でしょうか。

ソケット接点は、一般的には音が劣化する方向になりがちですが、不思議とペダル類は
それほど劣化を感じません。ソケットはハンダで固定され、接触点は2カ所になり、その分劣化が
起きるとは思うのですが実際はどうなんでしょう?

一般的に究極と歌われているLandgraffですが、世間の評価は鵜呑みにしない
性格なので、
オペアンプを変え、それに合わせて抵抗値も変え、結果を出してみました。

オリジナルJRC 4558D よい音ですが、若干のキレのにぶさと、レンジの狭さが気になります。
無難な感じですが、もっとよくなるはず。
俗に言う艶あり 4558D ミッドレンジに艶とハリがでて、エネルギーが上がった感じになります。
音が厚くなりますが、このペダルの特徴でもあり旨味でもある、高域の
キラキラした感じは少なくなります。ブルーズオンリーならいいかも。
(後日、1個1個にものすごく個体差があることが判明)
4558DD オリジナルとほとんど変わらず、魅力的な特徴も今一つ。
バーブラウン社製 2134PA レンジが広がり、中域の曇った部分が解消し、ハイファイになります。
その分線が少し細くなるので、オペアンプに一番近いソケットに
刺してある1kΩの抵抗を1,2にして試すと、低域がファットになりました。
トーンの効きに幅がなくなったので1kΩ に戻すが実音が細く感じられ、
サドウスキーとかアクティブ系に合いそうな音。
St microelectronics社製
MC4558CN
エネルギーがあり、音が自然でレンジも狭くならず、ランドグラフの独特な
特徴を生かしながら、若干ぼける感じが解消します。バーブラウンと
このオペアンプの後に、一回オリジナルに戻しましたが、オリジナルは70点。
その他いろいろ たいした差は印象に残っていません。忘れちゃいました。

2009年11月まではSt microelectronics社製MC4558CNにしていました。
それぞれのオペアンプの、最大公約数的なバランスで、オリジナル4558Dと同傾向の
レンジ感があり、エネルギー感と透明感も向上したのですが、2010年現在、
数個の艶ありJRC4558Dの中からベストマッチのものが見つかったので交換しました。

Landgraffはパーツ代を計算すれば確かにたいした額にはならないでしょう。
しかしこの音を出せる以上、一種の発明品と考えれば、私は市場相場でも高くないと思います。
よい音を出せて、その機材に変わるものがないとすれば、ギタリストにとってその音を出す必然性が
あるならば、機材は値段に関係なく使うのが本当かと。
でも本音。正直高い。彩色で付加価値を高める戦略、うまいですねえ。

私は機材に関係なく、2万円のギターと電池で鳴るアンプでも自分の音を出すことができますが、
やはりいいモノはいいし、よい機材は世の中に増えて欲しいと思います。

追記
2012年11月、オペアンプをTS−808で有名な80年代の4558 MALAYSIAに交換しました。
これは、あまり歪まないオペアンプで、もっと古い1458 MALAYSIAのほうがチューブスクリーマーには
ベストマッチ。4558 MALAYSIAは音の透明度の高さと自然な周波数レンジが魅力的で、
クランチに最高の音に感じました。
このオペアンプを入手後、世間の評価は鵜呑みにしない性格なので、SOUND LOFTのビンテージ
808クローンに搭載して、その他のICと比較して試行錯誤。
しかし、世間で騒ぐほどの結果が得られず、「な〜んだ」って感じでしたが、試しにLANDGRAFFに入れたところ、
嘘のようにスッキリおさまりました。ヒアリング、大切ですねぇ。



そのほかのギター
ブレードのジャズベ、スタフォードのフルアコ、単板削りだしハンドメイドピックギター
ヤマノSPマスターグレード前年の1966年タイプストラト、ワーモスネックのTELE、
1970年代国産のセミアコ、その他いろいろ。



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