アオリイカの接近方法


 シーズンネタのノウハウです。甲イカの種類はダイビング中に遭遇することも多いのですが、
 中でもアオリイカは60cm越えるその大きさと、産卵シーズンは数十匹と
 超接近できることもあって、水中写真の被写体としてダイバーに人気があります。

 しかし、イカの体色が目立たない色彩なので(よく見ると常に変化しています)遠目に見た場合や
 離れた距離でシャッターを押した場合、被写体が水の中にとけ込んだ暗い画面構成になり、
 もっと近寄れたらと思うこともよくありますよね?アオリイカに超接近するためには?

 アオリイカは7月前後の産卵シーズンに、海草の陰、意図的に沈められた木や竹の枝に房状の
 卵を生みます。初島の産卵礁は有名ですね。しかし基本的に臆病な生物なので、ダイバーからは
 常に距離を保つ場合が多いのですが、やり方によっては超接近が可能です。

 1,産卵直後の卵を探す
 産み付けられた直前のアオリイカの卵は白味が強く光沢があり、パンとした張りがあります。
 産卵から時間がたった卵は茶色っぽい感じがあり、
水中ライトで透かして見れば、卵の
 中にマッチ棒の頭サイズの、極小イカが観察できる
と思いますから区別ができます。
 産卵場所が設置されていないダイビングポイントでも、そのような卵を発見できれば、
 その同じ場所に、産卵が繰り返しおこなわれる可能性があります。アオリイカの影を見つけて
 みましょう。

 2,影を見たら決して追わない
 アオリイカは気に入った場所があると、同じ個体がその場所に継続して卵をうみたがる
 ことがありますから、その場所を見つけたら数分間、海底でじっとしてみて下さい。
 呼吸の排気音は出来るだけ静かに、一定のリズムでゆっくりと呼吸します。
 
最初は遠くから私たちを観察していたアオリイカも、状況に変化がなければダイバーへの注意より、
 産卵が優先になって、徐々に近寄ってくるはずです。
 最初の数匹が訪れたら、他の個体も安心して加速度的に数が増えることもありますから、
 数が少ないときに追いかけて散らしてしまわないように注意してみましょう。

 イカは集光性があるといわれています。しかし、水中ライトを向けても光に入ってきたことは
 未だないですから、昼間はあまり関係ないのかもしれません。
 イワシや小魚をくわえたイカは時々見るので、銀色の物体には反応していると思いますが、
 さらに詳しい情報をお持ちの方はご一報下さい。


       ダイビングで見られるアオリイカ

 

 ツールバーの戻るで目次へ

 監修 アクアラングサービス
 http://www.aqua-lung.sakura.ne.jp/